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ピエール・ポーリン [PICK UP ITEM]

ピエール・ポーリン

Pierre Paulin

ピエール・ポーリン

( 1927年〜 )
フランス

フランスのモダンデザインの巨匠と呼ばれる家具デザイナー、インテリアデザイナーです。
代表的な作品に「マッシュルームチェア」や「オレンジスライス」、「リボンソファー」などがあります。

フランスのパリでフランス人の父とドイツ系スイス人の母のあいだに生まれました。
大叔父は彫刻家で、伯父は自動車デザイナーとして活躍していたことから、自らも彫刻家として訓練を始めましたが、事故により右手を傷つけてしまったことからその道を諦めました。
その後は、パリのエコール・カモンド校で家具の伝統について学び、ミッドセンチュリー期に輩出された有名デザイナーであるチャールズ・イームズやエリエル・サーリネン、そしてジョージ・ネルソンらの影響を多く受けたとされています。

1953年にキャリアを本格的にスタートし、その一年後にはドイツのトーネット社に入社して家具を発表します。その後は、オランダのアーティフォート社から発表された家具デザインを手がけています。
そして、彼のデザイナーとして名を一気に広めた転換期が1960年に発表した「マッシュルームチェア」です。それまでには用いられることのなかったストレッチが効いた素材や布を用いたことで、独創的なフォルムで柔らかく、美しい作品を数多く製作していきました。

1970年に開催された日本の大阪万博ではフランスパビリオンの家具を担当し、トリコロールのソファ「アンフィス」を完成させましたが、斬新なデザインはインテリアデザインの歴史でも革新的な作品として多くの人々を驚かせました。
アンフィスが、パーツを様々な角度からつなぎ合わせて土台を作り、中央に組み込むクッションを最後に取り付けることで摩擦を起こさせフォルムを固定するといった革命的な発想が取り入れられました。

1987年には、世界的に権威のある国際インダストリアルデザイン賞を受賞しています。
ドイツ・ケルン国際家具見本市が2008年に開催されると、ロゼ社から「パンプキン」が展示されました。その名のとおりかぼちゃをイメージして作られたパンプキンは、1971年に当時のフランス大統領ポンピドゥー氏のためにデザインされた伝説のソファとして長いときを経てお披露目されました。

現在もなお製造販売され続けている彼の作品のなかに「オレンジスライス」がありますが、これはオレンジの皮を連想するようなデザインが特徴的な椅子です。ミッドセンチュリー期のデザインを象徴するかのようなデザインである一方、伝統的な手法で製造されているというピエール・ポーリンらしい作品として現代に息づいています。

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